
男性不妊症外来
男性不妊とは

女性の問題というイメージは根強い不妊症。
しかし、WHO(世界保健機関)の調査によれば、不妊カップルの約50%において男性側にも原因があると報告されています。
この男性側の要因によって妊娠に至らない状態が男性不妊。
意外かもしれませんが、男性の10人に1人が治療を行っているという報告があるほど身近な病気であり、多くの場合が早期発見・早期治療で大きく改善します。
妊活しても半年以上妊娠しない、パートナー(女性)が不妊治療をしてもうまく行かなかったというお悩みがある方は男性不妊症が原因かもしれません。
治療をして精子を元気にすることで妊娠のしやすさが上昇しますので、まずは勇気を持って一歩を踏み出し、精子の検査をしてみませんか?
男性不妊の原因
造精機能障害
- 精索静脈瘤
- 停留精巣
- 染色体異常
- 下垂体機能障害
- 化学的、環境的要因
- 精子不動化抗体(アレルギー反応)
精子の通過経路障害
- 先天性発育不全
- 精管欠損症
- 両側精巣上体炎
- 医原性(小児期の鼠経ヘルニア)
性機能障害
精巣内性器の炎症による影響
- 精巣炎
- 前立腺炎
- 精巣上体炎
- 精管炎(クラミジア)
男性不妊の検査
精液検査

精液検査は、男性不妊治療における羅針盤のようなもの。
つまり、ご自身の「現在地」を正確に知るための、最も重要で身体に負担のない第一歩です。
専門クリニックである当院の精液検査は、精子の数や運動率を調べるだけではありません。
AIを活用した精子の性液検査は運動速度や振動数の測定、希望があれば精子の酸化状態を測定する検査(ORP検査)や精子のDNA検査(DFI検査)など、最先端の検査を行っています。
WHO(世界保健機関)の厳格な基準に基づき、15項目について精密に分析を行います。
| 精液量 | 1.5ml以上 |
|---|---|
| 精子濃度 | 1600万/ml以上 |
| 総精子数 | 3900万以上 |
| 総運動精子数 | 42%以上 |
| 前進運動率 | 30%以上 |
| 形態 | 正常形態が4%以上 |
※2021年WHO基準
当院の精液検査は、院内の専用個室で採取する「院内精液検査」と送付した検査キットを用いてご自宅で精液を採取し、当院のボックスに入れていただくだけの「自宅で精液検査」があります。※検査項目には違いがあります。
血液検査

採血による血液検査も男性不妊の手がかりを探すための重要な検査。
例えば、脳の下垂体で分泌されるLH、FSHというホルモンを調べることで、精巣という工場の稼働率がわかり、それにより精子を作る機能の障害(造精機能障害)か精子はつくれているが運ばれていない(閉塞性無精子症)かを判断することができます。
その他にも、精巣から分泌される男性ホルモン(テストステロン)は精子を刺激して活発化させ、プロラクチンや甲状腺ホルモンは精機能を低下させますし、LHやFSHホルモンや男性ホルモンのバランスは男性不妊の原因を突き止めるための大きな手掛かり。
また、女性ホルモン(E2エストラジオール)を測定することで内服加療の指針にも繋げています。
治療の選択肢
「男性不妊症」といっても、その原因はさまざま。
その原因を正確に突き止め、個々の状態に合わせて最適な戦略を立てることから始まります。
アプローチの方法は主に3つ。
- 生活習慣の見直しなどの行動療法。
- 状態に合わせたホルモン薬などによる薬物療法、精索静脈瘤に代表される手術療法といった「精子が作られる体内環境を根本から改善する方法」
- 人工授精、体外受精、顕微授精など「生殖補助医療(ART)と呼ばれる高度な技術で妊娠を目指す方法」
があります。
早期受診のメリット
原因の早期発見と根本治療
ほとんどの男性は不妊の自覚症状がないもの。
結婚前や妊活前などの早い段階で精子の状態を確認し、改善できる原因を見つけることによって、その人の精子を造る力を根本から改善でき、妊娠の可能性が大きく上昇します。
また、将来の生殖補助医療(ART)における成功率の向上も期待できるようになるのです。
パートナーの身体的・精神的負担の軽減
女性と比較して負担が少ない男性の不妊治療。
男性が早期に検査を受けることで不妊原因の全体像が明らかになり、女性だけが検査や治療を続けるという状況を避けることができます。
不妊治療は夫婦というチームで行うもの。
だからこそ、大切なパートナーへの深い思いやりが大切なのです。
時間という資産を守る
子どもを作る力は男性も加齢とともに35歳頃より緩鷹に低下していきます。
男性側の問題に気づかずに時間が経過してしまうと、いざ治療を始めようとした時には選べる選択肢の範囲が小さいということも少なくありません。
早期の検査は夫婦にとって最も可能性の高い治療法を最適なタイミングで選択できる大きなチャンス。
それは未来の家族計画における貴重な時間を守る、何よりの投資となるのです。
ホルモン薬による薬物療法
クロミッドやアリミデックスによるホルモン療法は効果が出る人と出にくい人がおり、ホルモン値をくわしく見る事である程度推測できます。
(精子の質を上げたいのか精子の数を上げたいのか)
当院ではホルモン値によっていろいろな薬剤を使い分けています。
最新のデータを元にさまざまな漢方をホルモン剤と併用して使用しています。
サプリメントも同様で 内容物だけでなく、その含有量が重要です。
医師が開発に関与し、最新のデータをもとにサプリメントをおすすめしています。






