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①精液検査
すでに無精子症と診断されている場合でも、繰り返し精液検査を行ったり、遠心処理をする事で微量の精子が見つかる事があります。
微量でも精子が見つかれば精子を作っている証明になります。
②ホルモン検査(FSH)
血液検査で数日後に結果がでます。
この結果によって、閉塞性無精子症か非閉塞性無精子症なども大まかな原因がわかります。
③染色体検査(G-band、AZF)
血液検査で結果がでるまでに2-4週間かかります。無精子症に関連する染色体の数の異常やY染色体の微小な欠失を確認します。
無精子症の約6-10%が染色体に異常があり
クラインフェルター症候群(47XXY)AZFc欠失の様に精子回収の可能性が通常より上がるものから、AZFa欠失、AZFb欠失 長腕欠失などでは精子回収が不可能なものまでさまざまあります。
④精索静脈瘤精査
無精子症であっても精索静脈瘤の治療を行う事により10%ほどの方に射出精子が確認できる場合があると報告があり、MicroTESEにより精子回収の可能性が2.63倍あがるとの報告がある。そのため精索静脈瘤の治療をTESEの前に行う場合があります。
【Conventional TESE】
(閉塞性無精子症、精子不動化抗体陽性者)
陰嚢のシワにそって1㎝ほど皮膚切開をおき
片側の精巣を糸で固定して、精巣薄膜に5㎜ほどの小切開をいれ、精巣組織の一部を採取します。精子が十分に確認回収できれば凍結します。手術時間30-60分
【Micro TESE】
(非閉塞性無精子症、高度乏精子症)
精巣のシワにそって3㎝ほど皮膚切開を置き、
片側の精巣(大きなサイズの方)を体外に引き出し、精巣白膜を大きく切り開いて、精子が回収できるまで精巣内をくまなく検索します。
手術時間60-120分
・TESEの合併症
主な合併症は創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血種などです。重篤な合併症はまれです。
MicroTESEを行った場合術後1年は男性ホルモンが20%低下すると報告されていますが、日常生活へ影響するほど低下する事は稀です。
・精子の凍結・移送、保存について
回収できた精子は婦人科で顕微授精などの高度生殖医療を行わなければ、
妊娠には至りません、そのため精子をいったん当院で凍結し液体窒素タンクの中で保存します。奥様の準備が整った段階でご本人またはご家族に運搬用の瓶(ドライシッパー)を婦人科まで運んで頂きます。
・無精子症について
無精子症は100人に1人ほどにみられ、原因はさまざまです。
a)精管閉塞により精子は造られているが射出できない「閉塞性無精子症」が15%、
b)精巣で精子が全く作られていないか、ほんのわずか精子が造られている「非閉塞性無精子症」が85%です。
a)はconventional TESEの適応で90%以上の方から精子回収が可能です。
b)はMicro TESEの適応で平均すると40%前後の方が精子回収できます。
ただ、クラインフェルター症候群の方は45%ほどの方が精子回収でき、
AZFc欠失の方は80%以上の方が精子回収を見込めます。
一方、染色体異常がなく、原因不明の方は35-40%の方が精子回収の可能性になります。
※当院では希望者には全身麻酔で手術を行う事ができます。
ほとんどのTESEを行う施設は局所麻酔で行いますが、術中の違和感や緊張などを考えると
盲腸の手術などと同様に全身麻酔の方が楽の様に思えます。
ご希望の方は気軽にお声をおかけください。